【熊本県・南阿蘇温泉】別邸 蘇庵(そあん)
大きな立派な門が、静かに客人を待ち受けていた。この門は、今宵繰り広げられる物語への入口。門の前に立つと、音もなくスーッと自然に開かれた。それは、この宿での物語の1ページ目が同時に開いた瞬間だった。
『蘇庵』がオープンしたのは、平成21年の3月。まだまだ真新しさを纏っている宿だが、すでに各界著名人の宿泊も多い。客室は、1棟に2室入った離れ風の造りで、全8棟16室が揃う。古民家風や数奇屋風、和モダン風など造りは様々で、「半露天風」とも呼べるであろう開放感溢れる客室温泉も擁す。大きく採られた窓の向こうにはテラス席もあり、湯上がりはここでくつろぐのもいいだろう。
美肌茶を飲んでいると、客室前に迎えのカートが到着したようだ。カートに乗り込み、本館へと誘われる。夕食の時間である。この日の前菜には、辛子レンコンや一文字のぐるぐるなどの熊本名物が顔を覗かせた。そして本日のメインは、「味彩牛のすき焼き」。宿の名物と言われているだけある一品だ。卵と自然薯を混ぜ合わせた淡いクリーム色の特製ダレにくぐらせていただく。濃いめのダシが染み込んだ柔らかな霜降り肉が、まろやかなタレに包み込まれ、えもいわれぬ美味しさに…! その味に感動していると、宿のスタッフが教えてくれた。「料理にはすべて敷地内に湧き出る湧水を使用しております。私どもはこれを”阿蘇の雫“と呼んでおります」と。
翌朝、目覚めると、山々も露天も、すべてが朝露のべールを纏ってキラキラと輝いていた。「阿蘇の雫」…なるほど。この宿でのページを閉じる時、一滴の雫が物語の上にキラリと降り注いだ。
『別邸 蘇庵(そあん)』
熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陰5の56
TEL:0967(67)4555
- ○通常料金:1泊2食/27,300円?※休前日は29,400円?
- ○泉質:ナトリウム炭酸水素塩泉
- ○温泉施設:内湯男女各1・露天男女各1・客室内湯16
- ○部屋数:離れ風和洋16





